5月に権利が確定する配当・株主優待銘柄は、銘柄数が多すぎない分、NISAで長期保有する候補を絞りやすい月です。ただし2026年は、イラン情勢による原油高リスクと、生成AIによる業務構造の変化も無視できません。この記事では、5月の権利確定日・権利落ち日を確認したうえで、高配当候補、優待候補、NISAでの優先順位をまとめます。
結論からいうと、NISAの成長投資枠で見るなら、まずは配当利回りが高く、権利落ち後も保有しやすい銘柄を優先します。優待だけが目的で配当が弱い銘柄は、NISAでなく特定口座でもよいケースがあります。ただし、年間240万円の成長投資枠に収まる範囲で複数銘柄を組むなら、使いやすい優待銘柄を一部入れる考え方もあります。
2026年5月の権利確定日・権利付き最終日

5月末権利の銘柄は、原則として権利付き最終日までに現物株式を保有しておく必要があります。GMOクリック証券の5月優待カレンダーでは、2026年5月末日が権利確定日の場合、権利付き最終売買日は5月27日、権利落ち日は5月28日、権利確定日は5月29日とされています。
| 対象 | 権利付き最終日 | 権利落ち日 | 権利確定日 | 確認したい銘柄例 |
|---|---|---|---|---|
| 5月末権利 | 2026年5月27日(水) | 2026年5月28日(木) | 2026年5月29日(金) | パソナグループ(2168)、ハニーズホールディングス(2792)、サカタのタネ(1377) |
| 5月20日権利 | 2026年5月18日(月) | 2026年5月19日(火) | 2026年5月20日(水) | アスクル(2678)、クスリのアオキホールディングス(3549) |
| 5月15日権利 | 2026年5月13日(水) | 2026年5月14日(木) | 2026年5月15日(金) | サツドラホールディングス(3544) |
NISAで持つなら配当と安定性を優先

NISA口座では配当金や売却益が非課税になるため、高配当株との相性は良いです。一方で、NISA口座の損失は特定口座や一般口座の利益と損益通算できません。そのため、権利取りだけを目的に高値で買い、権利落ち後に大きく下げる銘柄を持つと、非課税メリットより値下がりリスクが目立つことがあります。
また、日本株の配当金をNISAで非課税にするには、配当金の受取方式を証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」にしておく必要があります。銀行口座で受け取る方式や配当金領収証方式のままだと、NISA口座で保有していても配当金が課税される場合があるため、権利確定日前に証券会社の設定を確認しておきましょう。
金融庁の資料では、2024年からのNISAは成長投資枠の年間投資枠が240万円、非課税保有期間は無期限です。5月銘柄をNISAで考えるなら、次の順番で見ると整理しやすくなります。
- 配当利回りが高いだけでなく、配当を継続できる事業かを確認する。
- 原油高で物流費、原材料費、電気代が上がったときに利益を守れるかを見る。
- 生成AIで業務効率化できる企業か、逆に既存業務が代替されやすい企業かを分ける。
- 優待内容を実際に使い切れるか、保有期間や必要株数の条件が重くないかを確認する。
- 成長投資枠240万円の中で、1銘柄に偏りすぎないようにする。
5月の高配当候補

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の2026年5月8日公開記事では、5月末に配当の権利確定となる東証プライム銘柄のうち、時価総額上位30位以内かつ会社予想配当がある銘柄から、予想配当利回り上位10銘柄が紹介されています。株価は2026年4月30日終値、予想配当額は同日時点の会社予想です。
| 確認優先度 | 銘柄 | 予想配当利回り | 1株予想配当 | 原油高・AIの見方 |
|---|---|---|---|---|
| 高 | ウェザーニューズ(4825) | 3.93% | 102.5円 | 気象データ・予測サービスはAI活用と相性が良い。原油高の直接影響は比較的小さいが、景気悪化には注意。 |
| 高 | ライク(2462) | 3.79% | 60円 | 保育・介護・人材領域はAIで完全代替されにくい。人件費上昇と制度変更リスクを確認。 |
| 中 | FPパートナー(7388) | 4.24% | 94円 | 保険代理店は高配当候補。AIによる営業支援は追い風だが、規制や競争環境も見る。 |
| 中 | パソナグループ(2168) | 4.60% | 75円 | 利回りは高いが、人材・BPO系は景気とAI効率化の影響を受けやすい。配当継続性を確認。 |
| 中 | E・Jホールディングス(2153) | 4.07% | 69円 | 建設コンサル・インフラ系。資材高の影響は間接的、AIは設計・調査効率化に使いやすい。 |
| 中 | ラクト・ジャパン(3139) | 3.96% | 132円 | 食品商社。原油高、為替、物流費の影響を受けやすい一方、食品需要は底堅い。 |
| 慎重 | ビーウィズ(9216) | 4.09% | 77円 | BPO・コンタクトセンターは生成AIの影響を強く受ける領域。高配当だけでなく事業転換力を見る。 |
| 慎重 | 日本国土開発(1887) | 3.93% | 23円 | 建設系は資材・燃料コストの影響が出やすい。受注環境と利益率を確認。 |
| 中 | ハニーズホールディングス(2792) | 3.76% | 55円 | 優待もある衣料品銘柄。原油高による物流費・原材料費、消費鈍化に注意。 |
| 中 | モリト(9837) | 3.75% | 72円 | 服飾資材・生活関連資材。海外調達、為替、原材料費の影響を確認。 |
NISAで優先しやすいのは、配当利回りだけでなく、長期保有中に事業価値が崩れにくい銘柄です。たとえば、データ活用との相性があるウェザーニューズ(4825)、人手が必要な領域を持つライク(2462)は、生成AI時代でも見方を整理しやすい候補です。一方、ビーウィズ(9216)のようなBPO・コンタクトセンター系は、生成AIによる効率化が業界全体の単価や人員需要に影響する可能性があります。
5月の株主優待候補

優待銘柄は、配当利回りとは別に「本当に使えるか」が重要です。NISAで持つなら、配当もあり、権利落ち後も保有しやすい銘柄を優先します。配当が弱い銘柄や優待目的だけの銘柄は、NISA枠を使う前に、成長投資枠240万円の使い道として納得できるかを確認しましょう。
| 銘柄 | 主な優待 | 権利日 | NISAでの考え方 | 外部環境の見方 |
|---|---|---|---|---|
| アスクル(2678) | 買物割引券 | 5月20日・11月20日 | 配当より優待・利便性重視。NISA優先度は枠に余裕がある場合。 | 物流費上昇は逆風だが、AIによる在庫・配送効率化の余地あり。 |
| クスリのアオキホールディングス(3549) | ギフトカード等 | 5月20日 | 生活必需品系だが必要投資額は高め。配当利回りだけで判断しない。 | ドラッグストアは防衛的だが、人件費・物流費・電気代に注意。 |
| サカタのタネ(1377) | カタログ商品 | 5月末 | 食品・園芸系の優待を使う人向き。配当と業績を合わせて確認。 | 農業・園芸需要は底堅いが、輸送費・原材料費の影響を確認。 |
| 大黒天物産(2791) | 果物等 | 5月末 | 優待の魅力はあるが、小売業は利益率を見たい。 | 原油高による物流費、消費者の節約志向が利益を圧迫しやすい。 |
| サツドラホールディングス(3544) | 優待割引カード等 | 5月15日 | 必要投資額が比較的軽く、優待を使える人向き。NISAは配当込みで判断。 | 地域ドラッグストア。生活必需品需要はあるが、人件費と物流費に注意。 |
| ニイタカ(4465) | カタログ・日用品等 | 5月末 | 衛生関連の需要を見たい銘柄。配当と原材料費のバランスを確認。 | 化学・日用品は原料高の影響を受けやすいが、業務用需要は底堅い。 |
| 日本毛織(3201) | 自社グループ優待等 | 5月末 | 優待内容を使い切れる人向き。配当と資産価値も見る。 | 衣料・素材関連は原材料費、物流費、消費動向を確認。 |
| 大光(3160) | 買物券等 | 5月末・11月末 | 低単価の優待を楽しむ枠。NISAでは優先度を上げすぎない。 | 食品卸・小売系は物流費と価格転嫁力を見る。 |
| 住江織物(3501) | カタログギフト等 | 5月末 | 配当と優待を合わせて見たい候補。単元投資額はやや重め。 | インテリア・繊維系は原材料費と住宅・設備投資の動向に注意。 |
| ブックオフグループホールディングス(9278) | 買物券等 | 5月末 | 優待を使いやすい人には検討余地。配当利回りとの合算で判断。 | 中古流通は節約志向に強い面がある一方、店舗運営コストを確認。 |
イラン情勢と原油高を5月銘柄にどう織り込むか

2026年5月時点では、ホルムズ海峡周辺の緊張が原油価格を大きく動かしています。IEAの2026年5月Oil Market Reportは、中東からの供給制約で原油価格が大きく振れ、在庫取り崩しが進んでいるとしています。米EIAのShort-Term Energy Outlookも、ホルムズ海峡の通航制約が続く前提で、5月・6月のブレント原油平均を高い水準で見込んでいます。
5月銘柄を見るときは、原油高の影響を次のように分けると判断しやすくなります。
- 物流費が重い企業:アスクル(2678)、大黒天物産(2791)、ハニーズホールディングス(2792)は配送費・仕入れコストを確認する。
- 原材料費の影響を受けやすい企業:ニイタカ(4465)、住江織物(3501)、モリト(9837)は価格転嫁力を見る。
- 建設・インフラ系:日本国土開発(1887)、E・Jホールディングス(2153)は資材費と受注採算を確認する。
- 直接影響が比較的小さい企業:ウェザーニューズ(4825)や一部のサービス系は、原油高より景気悪化や企業のコスト削減圧力を見たい。
生成AIの将来影響も見る

生成AIは、単にIT企業だけのテーマではありません。IEAは、世界のデータセンター電力消費が2030年に約945TWhへ増えるベースケースを示しており、AIの普及は電力、データ、業務効率化に広く影響します。McKinseyも、生成AIは顧客対応、マーケティング、ソフトウェア開発、研究開発などで大きな価値を生む可能性があると分析しています。
| 見方 | プラスに働きやすい例 | 注意したい例 |
|---|---|---|
| データ活用 | ウェザーニューズ(4825)は気象データ・予測とAIの相性を見やすい。 | データを持たない企業は、単なる人件費削減競争になりやすい。 |
| 業務効率化 | アスクル(2678)の在庫・配送、クスリのアオキホールディングス(3549)の店舗運営はAI活用余地がある。 | 効率化しても価格競争が激しい業種は利益に残りにくい。 |
| 代替リスク | ライク(2462)の保育・介護など対人サービスは完全代替されにくい。 | ビーウィズ(9216)のBPO・顧客対応領域は生成AIの影響を慎重に見る。 |
| 投資負担 | AI活用で人手不足を補える企業は長期保有の理由になる。 | システム投資だけが先行し、利益改善が見えない企業は注意。 |
成長投資枠240万円以内で組む考え方

5月銘柄だけで成長投資枠240万円を使い切る必要はありません。NISAは長期保有が前提になりやすいため、権利月だけでなく、年間の配当月や業種分散も合わせて考えます。5月は「高配当を1〜3銘柄、使いやすい優待を1〜2銘柄」くらいに絞ると、管理しやすくなります。
| タイプ | 考え方 | 候補例 |
|---|---|---|
| 配当重視 | 配当利回りと事業安定性を優先。権利落ち後も保有できるかを見る。 | ウェザーニューズ(4825)、ライク(2462)、FPパートナー(7388) |
| 配当+優待 | 配当も優待もある銘柄を選び、優待を使い切れるか確認する。 | ハニーズホールディングス(2792)、サカタのタネ(1377)、サツドラホールディングス(3544) |
| 優待重視 | NISA枠の主役にしすぎず、生活圏で使える銘柄だけを選ぶ。 | アスクル(2678)、クスリのアオキホールディングス(3549)、ブックオフグループホールディングス(9278) |
| 慎重派 | 権利付き最終日に慌てて買わず、権利落ち後の株価も見て分散して買う。 | 5月銘柄に限定せず、配当金あり銘柄全体で比較 |
5月配当・優待銘柄のチェックリスト

- 権利付き最終日が5月27日とは限らない。5月20日、5月15日など個別基準日を確認する。
- 配当利回りは最新株価で変わる。ランキングの数値は必ず更新日を見る。
- 優待は廃止・変更がある。公式IRと個別銘柄ページで最新条件を確認する。
- 原油高で物流費・原材料費・電気代が上がる業種は、価格転嫁力と利益率を見る。
- 生成AIの影響は、効率化できる企業か、既存業務を代替される企業かで分ける。
- NISAでは損益通算できないため、権利取りだけの短期売買より長期保有に耐えるかを優先する。
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よくある質問
2026年5月末の配当・優待はいつまでに買えばよいですか?
5月末権利の一般的な銘柄は、2026年5月27日(水)の大引け時点で保有している必要があります。権利落ち日は5月28日(木)、権利確定日は5月29日(金)です。ただし、5月15日や5月20日が基準日の銘柄もあるため、銘柄ごとに確認してください。
NISAでは配当銘柄と優待銘柄のどちらを優先すべきですか?
NISAの非課税メリットを活かしやすいのは、基本的には配当を長く受け取れる銘柄です。優待銘柄も魅力はありますが、配当が弱く優待目的だけなら、NISA枠を使う優先度は下がります。成長投資枠240万円以内で収まり、長期保有したい理由がある場合は、優待銘柄を一部入れる考え方もあります。
原油高ではどの業種に注意すべきですか?
物流費、原材料費、電気代の影響を受けやすい小売、外食、アパレル、化学、建設関連は注意が必要です。一方で、価格転嫁できる企業や、生活必需品に近い企業は相対的に見やすくなります。
生成AIの影響で避けた方がよい銘柄はありますか?
生成AIの影響は単純にプラス・マイナスで決められません。BPOや顧客対応のように自動化されやすい領域は慎重に見る必要がありますが、AIを使って効率化できれば利益率改善につながる可能性もあります。個別銘柄では、AIをどう事業に取り込んでいるかを確認しましょう。
権利落ち日に売っても配当や優待はもらえますか?
権利付き最終日の大引け時点で保有していれば、翌営業日の権利落ち日に売却しても権利は残るのが一般的です。ただし、権利落ち日は配当・優待分を意識して株価が下がることもあるため、短期の権利取りだけで判断しない方が無難です。
参考情報
- GMOクリック証券「株主優待」5月カレンダー
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券「5月配当利回りランキング」
- 金融庁「2024年からのNISA」資料
- 日本証券業協会「NISA口座における上場株式の配当金等受取方式に関する注意事項」
- IEA「Oil Market Report – May 2026」
- U.S. EIA「Short-Term Energy Outlook」
- IEA「Energy demand from AI」
- McKinsey「The economic potential of generative AI」
本記事は投資判断の参考情報であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。株価、配当、株主優待、権利日、NISA制度、国際情勢は変わる可能性があります。購入前には各社IR、証券会社、取引所、金融庁などの最新情報を確認し、最終判断はご自身で行ってください。


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