配当性向が100%を超えるデメリットについて

配当性向が100%を超える

東証グロース市場の銘柄でユナイテッドという会社があります。
ユナイテッドは、IT教育や、投資事業などをメインとして事業を展開されている会社です。
投資事業では有名なところでメルカリへの投資など、複数の上場企業を生み出すなどの経営陣のセンスが光る会社なのではないでしょうか。

さて、このユナイテッドに少し珍しい内容がありました。
そう、この記事のタイトルにもなっていますが、会社予想の時点で2025年3月期の配当性向が100%を超えているのです。

普通はやらないことなので、配当性向が100%を超えるということのデメリットを考えます。

目次

配当性向が100%を超えることのデメリット

1. そもそも利益を超える配当は持続不可能

配当性向が100%を超えるということは、企業が稼いだ利益以上の金額を配当に充てている状態です。
これは、一時的に利益余剰金などのキャッシュや最悪の場合は、借入金などで補うことが可能ですが、長期的には持続不可能です。

利益以上の配当を払い続けると、会社のキャッシュフローが悪化し、財務的に不健全な状態に陥ります。

2. 将来の成長に対する投資が減少

配当に多くの資金を充てることで、設備投資や研究開発、新規事業への投資が制限される可能性があります。
これは、将来の収益成長のための資金が不足するリスクを伴い、競争力の低下や事業拡大のチャンスを逃すことにつながります。

企業は、成長の原資のために利益余剰金を活用するので、配当性向として、目安○○%と決めている企業がほとんどです。

ユナイテッド社は、DOE4%または連結配当性向50%のいずれか大きい金額という配当方針があるため、今回のように配当性向が100%を超える状況になったと考えられます。

3. 借入や資本調達の必要性が増大

会社が利益以上の配当を支払うためには、内部留保の取り崩しや新たな借入、場合によっては追加の株式発行による資金調達が必要になることがあります。

しかし、これらは株主価値の希薄化や利子負担の増加をもたらし、企業の財務健全性に悪影響を及ぼす可能性があります。

4. 株主へのシグナルとしての懸念

配当性向が100%を超えると、株主や投資家は企業の成長余力や財務状態に懸念を抱く可能性があります。
特に利益の成長が鈍化しているにもかかわらず高配当を維持する場合、将来の収益力や財務の安定性に疑問が生じ、株価が下落するリスクがあります。

5. 内部留保の枯渇

利益を全額配当に回すと、将来の不測の事態(景気の後退や市場環境の変動など)に対応するための内部留保が不足します。

企業は、緊急時に備えて一定の現金を手元に残しておくことが重要であり、内部留保の枯渇は企業のリスク管理能力を低下させることにつながります。

これらの理由から、配当性向が100%を超えることは、企業の長期的な成長や財務健全性に悪影響を与える可能性が高いと考えられます。

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この記事を書いた人

上場企業でサラリーマンをしながら、IT企業を経営しております。

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